【創業融資】「正しい自己資金・間違った自己資金とは?」プロが徹底解説!

2021年3月31日 5:16 pm

 

 

こんにちは、独立・開業・創業融資支援センターの公認会計士・税理士の安藤です。

 

年間100件以上の創業融資サポートをしてきた私が、「創業融資、金融機関での審査基準について」についてお話しさせていただきたいと思います。

 

本記事を読むと分かること
  • 世間の自己資金のイメージと融資における自己資金のニュアンスの違いが理解できる
  • 融資担当者から評価される自己資金の内容が理解できる

自己資金の定義の違い

 

一口に「自己資金」といっても、世間一般の定義と融資においての定義は大きく異なります。

 

世間一般では自己資金であるという認識でも、融資の世界では、全く評価してもらえないパターンが多々あるのです。

 

まず世間一般における自己資金のイメージについて解説していきます。

世間における自己資金のイメージ

 

    

  

 

世間一般における自己資金の定義とは?
  • その人自身の現預金
  • 両親・親族などから贈与してもらったお金

上記のように広義の意味で認識されており、現金の場合も、口座に入っている預金の場合も、きちんとその人のものでさえあれば「お金の質や中身は問われない」ということです。

 

例えばですが、500万円の自動車の購入を自己資金で行う場合、自動車のディーラー側としてはその中身が、「自宅の金庫にあった500万円」でも「口座から下ろしてきた500万円」のどちらでも構わないわけです。

 

もちろん、口座から振り込む場合も同じ500万円なのでなんの問題も生じないですね。

 

他の例でいうと、不動産を自己資金で購入する場合も同じです。

 

つまり、「借り物でないお金」を用意できれば、それが自己資金としてみなされますので、中身としての質は全く問われないわけです。

 

シンプルな言い方をすると、「自分のお金であれば何でもいい」のです。

 

次に融資における自己資金の定義を解説していきます。

 

融資における正しい自己資金、間違った自己資金とは?

 

 

逆に融資における自己資金の定義とは一体なんなのでしょうか?

 

融資における自己資金は、結論から述べると、いわゆる世間一般でいうところの自己資金とは意味合いが全くことなり「自分のお金であれば何でもいい」というわけではありません。

 

それどころか、1番信頼を得られそうな現金はNGとなるパターンがほとんどなのです。

 

 

資において「自己資金として認められるのが困難な」お金とは?
  • 現金
  • 不審な動きがみられる口座にある預金

 

上記について解説していきます。

現金

 

 

まず「現金」は基本的に融資においては、自己資金とは認めてもらえません。

 

なぜならクレジットカードでの取引や通帳取引と異なり、現金そのものには情報や履歴が残らないからです。

 

不審な挙動がみられる銀行口座

 

 

融資担当者から見て不審な動きのある口座とは、

 

✅一度にまとまった額の入金を行った形跡のある口座

 

✅短期間に異常な回数の資金移動を行っている口座

 

などが挙げられます。

  

よくあるパターンとして、500円貯金やタンス貯金などで長年貯めて、ある程度まとまった額になったので、一気に口座に入金するというのがありますが、それが自己資金として認められるかといえば、非常に困難です。

 

理由としては、よっぽど正当な理由や履歴が残っていない場合、口座にある資金が本当にその人のお金なの?という観点で見られるからです。

 

※昔よくあった手法として「見せ金」というものがありますが、これは個人や会社が「自分はお金を持っていますよ」いうことを知らしめるために、本当はお金がないのに友人や家族、消費者金融等でまとまった額の資金調達を行い、自分の口座にお金があるように見せかける手法です。

 

ただし、これはいわゆる「ハッタリ」ですので、TwitterやInstagramにおいて自分の資金力を示す広告的手段としては使えるかもしれませんが、融資のプロである日本政策金融公庫や銀行の担当者には全く通用しません。

 

もし嘘をついてバレたら、その情報がしっかりと記録されてしまうので、注意しましょう。

 

 

 

【まとめ】融資において評価の高い自己資金とは?

 

こんな自己資金ならOK!
  • これまで自力でコツコツと個人(法人)の口座に貯めてきたと証明できるお金
  • 配偶者の口座に入っているお金or配偶者と共同で貯めてきたことがはっきりと証明できる口座のお金

 

 

上記から分かるように、融資担当者に自己資金として正当に評価してもらえるのは、

 

✅履歴がはっきりしており急or不審な動きがない

 

✅経営をするにあたりきちんと口座にコツコツ貯めていたことが分かる

  

つまり、経営者としてコツコツと堅実な行動をして、お金をきちんと返してくれる人なのかを確かめるために、お金の性質をチェックするのです。

 

 

そのため、単純に口座資金が多いとか現金を多く持っているとかの表面的な情報はあまり当てにならないのが現状です。

 

開業を考えているなら、お金は今からでも自分の口座へ

 

今後開業にあたって融資を希望している人たちに私からお伝えしたいのは、創業融資の場合、銀行・公庫の担当者はあなたの個人の口座(妻帯者であれば共同の口座)を少なくとも半年間-1年間さかのぼってチェックされます。

 

✅口座に不審な動きがないか

 

✅立ち上げ規模に対して十分な額があるか

 

という観点から徹底的に調べら上げられますので、自己資金だと認めてほしいのであれば、コツコツと自分名義の口座にコンスタントに入金していき、計画性を持って貯めたお金であると証明しましょう。

 

最後に

 

しかしながら、上記の記事を読んでも、「自己資金のイメージはなんとなく掴めたけど、実際自分の所有しているお金が金融機関から自己資金として認めてもらえるか不安。。。」という方もいらっしゃると思います。

 

安藤総合会計事務所は「独立・開業・創業融資支援センター」を運営しております。

 

次のような方は、ぜひ一度当センターまで来てご相談ください!
  • 現在、事業設立を考えているが、自己資金として認めてもらえるか直接判断してもらいたい
  • 融資全般のことをもっと詳しく聞きたい

 

 年間100件以上の創業融資サポートをしてきた私が、懇切丁寧にサポートを行い、融資確率を上げるお手伝いをさせていただきます。

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