【創業融資】設備資金と運転資金の違いについてプロが徹底解説!

2021年6月25日 4:15 pm

 

 

 

 

こんにちは、独立・開業・創業融資支援センターの公認会計士・税理士の安藤です。

 

今回の記事では、「創業融資、設備資金と運転資金の違いについて」についてお話しさせていただきたいと思います。

 

この記事を読んで分かること

  • 設備資金と運転資金の違いについて理解できる

  • 両者の概要について理解できる

 

はじめに

 

日本政策金融公庫での融資を受ける際には、大きく分けて項目が2点あります。

 

それが「設備資金」「運転資金」です。

 

この2つを合わさることで、合計の融資額になります。

 

 

では最初に両者の持つ性質の違いについて説明していきたいと思います。

 

 

設備資金について

 

ざっくりというと、設備資金というのは、事業を行っていく上での初期投資部分にあたります。

 

つまりこの部分のお金がないと、そもそも事業を行うことが困難であるという類の資金となります。

 

判断ポイントとしては、事業をやっていく上でこの設備が必要なのか否かというのが重要になりますので、必要と判断されれば希望通り満額が融資されますし、そもそも事業に無関係なので不要であると判断されたり、見積り内容が曖昧だったりするとゼロにされやすい項目ともいえます。

 

また、新品である必要があるのか、もしくは中古でいいのか、はたまたリースではだめなのか、などの質問がされるケースがありますので答えられるようにしておきましょう!

 

ですので、0か100かの性質が強いのが設備資金です。

飲食店の開業を例に

 

例えばですが、飲食店を開業するのであれば、

 

✅キッチン設備(オーブンや食洗機など)

 

✅店舗(賃貸でも購入でも)

 

✅営業形態に適した内装変更など

 

は絶対に必要になるものです。

 

むしろこういったものがなければ、そもそも飲食店の営業を行っていくことが不可能なので、間違いなく設備資金として承認されるといえます。(あまりにも一般的な相場感からかけ離れた高額なものは別ですが)

 

通常の融資であれば、特に設備投資をすることによって、

 

・売上や収益性の改善

 

・コスト削減に繋がる

 

など、具体的な根拠を示した計画書などが必要になる場合がありますが、創業融資の場合は、そもそもゼロからのスタートなので、収益性の改善などというよりは、事業をやっていく上で不可欠なのかどうかという部分の方が重視されるように思います。

 

どんなものが設備資金として認められるのか?

 

✅自社HPの制作費用

 

店舗の賃貸に関しての初期費用

 

内装・外装工事

 

車両の購入

 

備品の購入

 

こういった、事業を行うにあたり必要となる店舗・車両・機器・施設の費用などが設備資金にあたるといえます。

 

運転資金

 

こちらはざっくりいうと、毎月一定額がかかるランニングコストです。

 

つまり、個人事業主や会社が事業を継続的に続けていくうえで定期的に必要となる資金のことを指します。

 

 

運転資金の例

 

 

例えばですが、以下のようなものが運転資金にあたります。

 

・商品の仕入費用

 

・従業員やアルバイトへのお給料

 

・店舗の家賃や水道光熱費など

 

・広告費

  

つまり、継続的に毎月の経費としてかかってくるものが運転資金に当たります。

 

 

融資における「設備資金」と「運転資金」の違いについて

 

融資においては、設備資金と運転資金の両者間で、返済期間や、審査の際に減額のされやすさの違いなどがあります。

 

その違いについて次項で見ていきたいと思います。

 

 

融資において減額されにくいのは設備資金or運転資金?

 

融資において減額されにくいのは、設備資金となります。

 

理由としては、以下の通りとなります。

 

事業をするにあたり必要不可欠なものだから

 

設備資金の場合は、上述したように必要な根拠と見積りさえ公庫側に示すことができれば、必要不可欠なものなので、減額されたり、削られたりということが比較的少ないといえます。

 

設備資金には見積り書が必要となるので、資金使途がクリア

 

設備資金には、必ず購入する物品に対して、見積り書が必要不可欠となります。

 

ですので、公庫側の人間としても、設備資金→事業に不可欠→見積り書がある→使途が明確というクリアな構図になる以上は、融資額から削りにくいわけです。

運転資金には若干曖昧な部分がある

 

しかしながら、運転資金の場合は、借入額として認められるのが、多くて必要額×4-5ヶ月分ですが、必ずしもその期間分の借入ができるとは限らず、たとえば4-5ヶ月分→2ヶ月分に削られやすい性質があるのが運転資金です。

   

また運転資金の場合は、とくに創業融資の場合は、もちろん不可欠な部分もありますが、必ず4-5ヶ月分満額必要になるのかと言われれば、そうではない部分ももちろんありますので上記のような判断がされがちです。

 

返済期間の長さ

 

設備資金の場合、返済期間は5~10年です。

 

運転資金の場合は、返済期間は5~7年です。

 

こちらに関しては、設備資金の方が長めとなります。

 

理由としては、設備資金の方が月々のランニングコストである運転資金よりも高額になりがちなので、そのように設定されているようですね。

 

 

最後に

 

今回のテーマに関する記事は以上となりますが、設備資金と運転資金の違いについてはご理解いただけたでしょうか?

 

ただ、実際に上記の内容の理解ができていても、実際に計画書を作成していく段階で、設備資金と運転資金の振り分けや判別の仕方に困ることもあると思います。。。

また、安藤総合会計事務所は「独立・開業・創業融資支援センター」を運営しております。

 

 

次のような方はぜひ当センターまでお越しください

  • 設備資金と運転資金の違いは理解したが、自分で試算するのが難しい

  • それぞれの資金の割当てをどうすればいいかが分からない

 

年間100件以上の創業融資サポートをしてきた私が、懇切丁寧にサポートを行い、融資確率を上げるお手伝いをさせていただきます。

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