新創業融資制度を利用しよう

2020年9月21日 12:44 am

創業者が一番不安に思っていること

 

いざ起業をしようとした時に起業家が一番不安に思うことは、資金が不足しているということでしょう。

一般的に企業が資金調達をしようとすると、銀行などの民間金融機関を頼るのが普通ですが、新規創業の場合は、まだ実体のない会社の融資を民間企業である銀行にしてもらう事はなかなかできません。

そのような起業家には、民間金融機関ではなく、公的金融機関を利用して融資をしてもらうことをおすすめします。今回は公的金融機関の融資制度である「新創業融資制度」について説明します。

 

起業と企業意識に関する調査(日本政策金融公庫総合研究所)より

 

 

ほかの融資制度とあわせて利用する「新創業融資制度」

 

新創業融資制度は2014年3月1日に「創新創業融資制度の改正」により、新たに制定された制度で、設立2年未満の方(税務申告2期未満)に適応することができる制度です。

これは、追加的な措置になりますので、新規開業資金や女性、若者/シニア起業家支援資金など他の融資を利用したいという方が、設立2年未満であれば、更に新創業融資制度の対象として特例措置を受けられるというものです。

 

「新創業融資制度」の概要とは

対象となるための条件として以下のすべての要件に該当することが必要となります。

<創業の要件>

 

これから事業を始める方もしくは事業開始後税務申告を2期終わっていないこと

 

 

<雇用創出等の要件>

 

「雇用の創出を伴う事業を始める方」や「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」等の一定の要件に該当すること

※融資金額が1,000万円以内の方については、本要件を満たすものとします。

この条件については、融資申請額が1,000万円未満である場合には無視できます。また、融資申請額が1,000万円をこえる場合であっても、雇用の創出をしない事業はあまりないと思いますので、基本的にはこの要件は満たすと考えられます。

 

 

 

<自己資金要件>

 

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方

「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方は、本要件を満たすものされます。

 

 

 

では、新創業融資制度を適用できる日本政策金融公庫の融資制度とは?

 

新規開業資金+新創業融資制度

 

新規開業資金は、新たに事業を始めようという方や事業開始後7年以内の方を対象としている融資制度です。融資限度額は7,200万円となっており、その内4,800万円は運転資金として利用することが出来ます。残りの2,400万円は、設備資金としての融資となります。

返済期間については、運転資金が7年以内、設備資金が20年以内となっています。据置期間として設備資金の元本の返済を2年、運転資金の元本の返済を2年遅らせることが出来ます。
また、融資を受けるためには、原則担保や第三者による保証人の設定が必要になります。

 

女性、若者/シニア起業家支援資金+新創業融資制度

 

女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性の方、または30歳未満か55歳以上で新たに事業を始めようという方や事業開始後7年以内の方を対象としている融資制度です。

融資内容については、新規開業資金と同じですが、性別や年齢制限さえクリアすれば融資を受けることが出来るので、自由な起業をしやすい制度です。設備資金及び運転資金とも、返済期間と据置期間は新規開業資金の場合と同じです。
また、融資を受けるためには、原則担保や第三者による保証人の設定が必要となることも新規開業資金の場合と同じです。

 

担保や保証について

 

通常、融資を受けるには、お金を返せなくなった場合の担保や連帯保証人を立てなければなりません。しかし新創業融資制度は、無担保、無保証、連帯保証人不要。資金調達のハードルがグンと下がります。法人の場合、希望すれば代表者が連帯保証人になることもできます。

前述した「新規開業資金」「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、担保や連帯保証人が必要な融資制度です。しかし、新創業融資制度とあわせて申し込むことで、「無担保、無保証、連帯保証人不要」の特例措置の対象となります。

 

融資限度額について

 

3,000万円(運転資金1,500万円、設備資金1,500万円)を限度として融資を受けられます。

 

 

資金の使い道について

 

開業時に必要な設備資金(厨房機器、什器、テーブルや椅子など)、および運転資金(家賃、水道光熱費、人件費など)が融資の対象になります。

 

 

返済期間について

 

あわせて申し込む融資制度によって変わります。なお「据置期間2年以内」とは、「返済期間のうち最長で2年間、返済をしなくてよい」ということです。

新規開業資金とあわせて利用する場合
設備資金:最長20年以内(据置期間2年以内)
運転資金:最長7年以内(据置期間2年以内)

女性、若者/シニア起業家支援資金
設備資金:最長20年以内(据置期間2年以内)
運転資金:最長7年以内(据置期間2年以内)

 

 

利率について

 

現在だと、大体1%~3%となっております。

 

  

まとめ

 

前に述べたように創業時に不安に思うことで一番多いのは資金面での不安です。そのような中、無担保・無保証で利用できる新創業融資制度は非常に心強い制度です。融資を受けやすくするポイントは、自己資金をなるべく多く用意すること、そして、創業計画書を何度も練りなおし、説得力を持たせることです。ここに気をつけるだけで審査に通りやすさが格段にアップします。

 
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