【創業融資】金融機関ごとの違いについて(前編)
こんにちは、独立・開業・創業融資支援センターの公認会計士・税理士の安藤です。
今回の記事は前半・後半の2回に分けて解説していきます。
年間100件以上の創業融資サポートをしてきた私が、「創業融資において利用できる金融機関ごとの違いやそれぞれメリット・デメリット(前半部分)」についてお話しさせていただきたいと思います。
今回は前半部分についての解説となります。
日本政策金融公庫について
2008年に国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行(国際金融等業務)の4つの組織が統合され日本政策金融公庫が設立する流れとなりました。
その目的は「国民一般、中小企業者、農林水産業者の資金調達を支援する」ことであり、国の政策のもと、創業支援や中小企業の事業支援などを重点的に行っています。
また、「民間金融機関の金融業務の補完」というのが、日本政策金融公庫の事業の大きな目的の一つとして存在するため、一般の銀行では融資されないようなリスクがある事業(例えば一度も融資実績や事業実績のない創業融資などへの融資も積極的に行っています。
日本政策金融公庫と民間金融機関との違い
日本政策金融公庫と民間金融機関とのわかりやすい違いとしては、以下の通りです。
✅国民一般、中小企業者などの資金調達を支援することが目的である
✅日本政府が100%出資している
✅一般の金融機関が行う金融業務でカバーしきれない部分もサポートしている
シンプルに述べると、上記3点が一般的な金融機関(銀行や信用金庫)と異なる点となります。
つまり、大きな特徴として日本政策金融公庫は、通常では他の金融機関でまとまったお金を借りることが困難な人への資金調達面でのサポートを目的として事業を運営しているということが挙げられます。
民間の金融機関における通常の融資で重要となってくるポイント
・過去の返済実績
・他の金融機関との取引実績
・会社の安定性(売上や利益、資産に対しての負債の額など)
などをチェックされますが、創業融資の場合、まっさらな状態から開業を行うため、上記3つが存在しないわけです。
創業して間もないorこれから創業予定の会社の場合、事業にせよ融資にせよ「実績」が存在しないため、上記のように法人等に対して各銀行が行っている一般的な銀行融資審査を通過する可能性はほぼゼロといってもいいかもしれません。
いわゆる一般的な融資、つまり銀行側が貸したお金が返ってこなくなることも加味した上で資金を貸し出すこと、つまり民間金融機関が貸し倒れリスクを承知の上で、融資希望者に対して資金を貸し出すことを「プロパー融資」といいます。
こういった民間の金融機関のプロパー融資における審査は過去のその会社(個人事業主)が培ってきた実績を重視しているので、上記のように実績のない会社は一般的な金融機関での融資を受けるためのスタートラインに立つことすらままならないということがいえるわけです。
日本政策金融公庫と信用保証協会の違い
まず両者の明確な違いとして、
✅日本政策金融公庫は自社の財源からの融資を行っている
✅信用保証協会は自社の財源から融資を行うわけではない
一体どういうことかというと、たまに弊社でもお客様から電話口で、「信用保証協会からお金を借りたいのですが。。。?」等の質問を投げかけられることがありますが、
✖→信用保証協会という組織自体が自社の財源から資金の貸付を行う
上記は大きな間違いで、
◯→民間の金融機関が行う融資に同協会の保証を付与する
というのが正確な理解となります。
つまり、先ほど創業融資においては一般的な金融機関から資金調達を行いたい場合、過去の実績がない場合は融資のスタートラインにすら立つことができないと述べましたが、例外的に融資を行う場合があります。
次回の記事では、上記で述べてきたことをふまえ、具体的に民間金融機関が融資を行う条件について詳しく述べていきたいと思います。
最後に
上記の記事を読んでも、「日本政策金融公庫と信用保証協会を通してのの民間金融機関での融資の違いやそれぞれのメリット・デメリットがよくわからない」という方もいらっしゃると思います。
もちろん上記についても次の記事でより詳しく解説していきます。
次回の記事では、今回の記事で述べてきたことをふまえ、具体的に民間金融機関が融資を行う条件やそれぞれの金融機関ごとのメリット・デメリットついて詳しく述べていきたいと思います。
また、安藤総合会計事務所は「独立・開業・創業融資支援センター」を運営しております。
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- 日本政策金融公庫と民間金融機関の違いがよくわからない
年間100件以上の創業融資サポートをしてきた私が、懇切丁寧にサポートを行い、融資確率を上げるお手伝いをさせていただきます。